Yes イエス/Aichi,Japan 2014

録音者はあのエイジア2012年の傑作タイトル『LIVING A LEGACY 』や、まだ記憶に新しい今年のGRAVITASツアー日本公演から名阪2公演を収録した『LIVE IN JAPAN 2014 - VOLUME 1 (Virtuoso 179/180/181/182)』でお馴染みの"西日本最強のテーパー"氏。最近では関西だけでなく関東圏にも遠征し、先日もギネスブックに"世界で一番ライブの音がうるさいバンド"として認証されたメタル・ウォーリアー" マノウォー "の『KINGS OF METAL IN TOKYO (ZODIAC-091)』で、普通に録音したらまず確実に潰れてしまうであろうメガトン級の爆音ライブをも、その卓越した録音技術で極上シューティングすることに成功した赤丸急上昇中のテーパーさんです。さて今回のイエス名古屋公演、即ちZepp Nagoyaは上記エイジア2タイトルと同一の会場です。関西方面を拠点に活動する西日本最強氏にとってはまさにホームグラウンドの様なもので、それゆえ会場の響きの様子も知り尽くしています。ですから彼は今回もそれらエイジア傑作2タイトル同様に" あえて2階指定席・最前列をチョイス "しており、大傑作盤となったエイジア2タイトルとほぼ同位置の収録で、しかも最新録音機材を使って収録に臨まれたそうです。これはもうその場・その位置で収録した音の結果を完璧に把握したうえで録音している様なものですし、そしてその予測はズバリ的中しました。今回も他の録音の追随を許さない、まさに氏のテーパー・ネームそのものの別格サウンドで録音を成就させたのです!! どう聴いても2階席とは思えない音の間近さと圧倒的な透明感、そしてPAスピーカーの目前で録ったかの様に音の密度が濃厚な" 西日本公演最強 "のミラクル録音がここに誕生しており、これは今回当店が入手したイエス2014年日本公演の全てのオリジナル録音中で間違いなく一番音が良いと断言出来ます。東京公演3DAYS『TRILOGY』は勿論極上のタイトルですし当店の自慢ですが、この名古屋公演の収録音は今回のイエス日本ツアーをファンの視点から永遠のメモリアルに結晶させた" 誇り "と言っても良いでしょう。そんな16年振りとなった今回の名古屋公演は1階と2階の指定席が早々と完売し、立ち見まで出た盛況さで大入り満員でした。そんな寿司詰め状態のファンが見守る中で『危機 / 完全再現』が始まりますが、ベースとギターが生々しく動き回る曲の出だしを10秒も聴かないうちに、この後に何か凄い事が待っている気配を濃厚に感じさせる極上の音像に鳥肌が立つでしょう。ところで今回の来日ではどの公演でも確かな演奏力が目立ちましたが、名古屋公演で際立っていたのはいつになく丁寧な音の綴り込みと、何といっても休符が綺麗だったという点ではないでしょうか。つまりこの曲の特徴でもある突発的な音の切り方、休ませ方の妙です。70年代の演奏時の様にスピーディな表現はしなくなったぶん、昨今のこの曲では休符の取り方がより大きな聴きどころになっていると思うのですが、この名古屋公演ではそれが絶妙に滲み出ているのです。特に曲想が変わってゆく中間部の入り方(※9分09秒付近から数秒間聴ける展開のさせ方と音の散らし方の様子)や、音楽が大きく飛翔してゆく14分10秒からの展開で聴ける深々と挿入される溜めと機知に富んだ音の重ね方、言い換えれば音楽の深い呼吸は、この名古屋公演ならではの大きな聴きどころと言えるでしょう。名曲「And You And I」はそうした大きな呼吸を「Close To The Edge」で先ずしているからこそのリズムの移り変わりと響きの変化が際立っています。たゆたう様な曲想の中で厳しさと美しさが同居する雑味の無いサウンドが解像度の高い音で耳を潤し、丁寧な演奏力が自分を包んでくれる喜びに打ち震えること請け合いです。「Siberian Khatru」も程好い緊張感の中に曲が本来持つストイックな力強さが東京3DAYS以上に出ており、決して派手ではありませんが大変ダイナミックな音楽的跳躍が透明感に溢れたサウンドで記録されています。7分55秒付近から目立ってくるギターとベースの対話も驚くほどよく録れており、それが終曲まで浮き出て聴こえている事で旋律とリズムの血流の良さが最終音まで強く感じられる事も特筆されるでしょう。最新アルバムからの「Believe Again」はスタジオ版以上に高められ、研ぎ澄まされた演奏から、まさに真に迫った鳥観とも言うべき感覚を味わって戴けるでしょう。ここでは中間部4分06秒以降や終盤7分17秒以降でおもむろに動き出すギターの特徴的なシーンがありますが、こうして何かのパート(この場合はギター)にスポットが当たって単体で動く様子もこの録音はバックサウンドの明瞭感を損なわないまま浮き出た楽器を確実に捉えており、演奏のダイナミック感をストレートに御実感戴けるようになっています。「The Game」では現行型イエス・サウンドの見事な可能性が華麗に開きます。ハーモニクスを多用したギターの響き、即ちメロディ楽器が出す音と音の間に隙間がある中を心地良く駆け抜けてゆくアンサンブルは瑞々しい軽やかさとスケール感があり、その音楽の創造性がミドルレンジに幅のある豊かな音像で耳元に広がってゆく様子は本公演で屈指の聴きどころとなっています。ディスク2はもちろん『こわれもの / 完全再現』です。「Roundabout」のドライヴ感のあるベースの動きがしっかり録れているのは勿論、その全体音も見通しの良い音像で克明に拾っています。5分40秒付近からワイルドに立ち上がってゆくキーボードも出音の力強さが浮き出た状態で曲の進行を同時に追ってゆけるので、その様子にもどうぞ御注目下さい。小曲「We Have Heaven」もまた万華鏡の様なコーラスとリズムの対比をこの録音は完璧に捉えており、短い時間の中で濃密に音が重なってゆく響きの面白さを再確認させてくれる筈です。「South Side Of The Sky」では中盤で入るピアノの濡れそぼった様な音色が大変魅力的な湿り気のあるサウンドで録れています。スローテンポの曲想を巧みに生かした音の求心力が演奏から感じられ、ワクワクされるでしょう。9分12秒からは鮮烈なキーボードの音色が中盤の湿ったピアノシーンの対比となるような響きで右チャンネル上方に拡散してゆきますので、こうした音色の広がり感にも収録音の質の高さを御実感戴けるかと思います。また完全再現という事でアルバム同様に短い「Five Per Cent For Nothing」も、その瞬間芸的な緊張感漂う演奏を見事に捉えていることも見逃せません。「Long Distance Runaround」は、導入部の運動性の高い旋律と歌メロに入ってからの表情の違いがまろやかな音で録れていて、小曲ながらユニークな楽曲構造を持つ様子が手に取るように伝わってきます。一方、同じ小曲でも名曲「The Fish」はベースのあの特徴的な動きとクリスらしいマッシヴな響きが非常に近い音で聴こえることに高い興奮を覚えるでしょう。ここはまさに会場の場の空気を振動させながら旋律が紡がれる様子が直球で伝わってくる音像ですので、至近距離でその響きを追うことで楽曲の芯の部分に触れられる感激を存分に味わって戴けると思います。「Mood For A Day」はギター音以外の雑音が全く聞こえず、この日立ち見まで出た会場全体がどれだけ熱心に息を呑んで聴き入っているのかが非常に強く伝わってくる好シーンです。オーディエンス録音でここまで完璧に観客の雑音が入っていないというのは驚きではないでしょうか。そしてそれだけに、その張り詰めた空気の中を伝播してきた透明感に充ちた生ギターの音像は、耳にした人全ての胸を強く打つほど感動的です。ショウ本編を締め括る傑作「Heart Of The Sunrise」はこの最終日も圧倒的な表現力を誇っています。太くて鋭いベースの動きとギターのユニゾンが完璧に決まりながら艶やかな歌唱パートが静かに紡がれてゆく様子も素晴らしいのですが、この日の演奏で聴ける弱音表現の濃密さや威力ある官能的な響きに身を委ねていると、現代のバンドからはもう生まれてこないであろう音楽の営みが確かな触感を伴いながらここにある事を強くお感じになる筈です。アンコール一発目「I've Seen All Good People」ではギターの細かい仕事振りが随所で確認出来るほか、弱音の中でせめぎ合う各パートの濃密な音の営みが質感の高い音像で飛び出してくる様子に驚かれると思います。ラストの「Owner Of A Lonely Heart」では現行型に修正されたタフでクイックな曲想がこの名古屋でも大いに開花しています。ジョンの歌唱の伸びもこの日最高に高まり、朗々と歌い上げるメロディの紡ぎ方とアンサンブルの融合が終演までパーフェクトに記録され、演奏が締められるとまるで今目の前で体験したのかと錯覚する様な心地良い疲労感に身を包まれる事に気付かされると思います。終演後は場内アナウンスまでしっかり収録されていますので、メモリアルな雰囲気もバッチリです。秀逸なライブ録音とは、いま目の前で創造されている演奏と楽曲の本質を確実に捕まえることと言って差し支えないと思います。イヤモニやサウンドボードが必ずしも音楽の感動を正確に伝えると限らないのは、音が届く距離が近過ぎるためでしょう。実況録音に感動するというのは結局のところ音が立ち上がって会場に伝播し、拡散してゆく響きの流れをどれだけ近い音で捉えられるかが勝負となっており、近過ぎて解像度が良過ぎるだけでは生演奏本来の感激は充分に伝わってきません。伝説のテーパー、マイク・ミラードやスティーヴ・ホプキンス、ダン・ランピンスキーが目指したのはまさにそれだったと思いますし、現在では今をときめくT&Jがイヤモニ収録をあえて選ばないのも、会場でベストに録れた間近な音こそが真の感動を人に伝えられる事を熟知しているからでしょう。本作を録音した西日本最強氏も恐らく同じスタンスで録音に望んでいると思われるのです。そして今週末、音色の響きをダイレクトに感じさせながらこれ以上望めないほど間近な音でキャッチした本作の登場により、彼の録音芸術に新しい1ページが加わります。 Live at Zepp Nagoya, Nagoya, Japan 28th November 2014 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc 1 (61:53) 1. The Young Person's Guide To The Orchestra 2. Close To The Edge 3. And You And I 4. Siberian Khatru 5. Chris Squire Introduction 6. Believe Again 7. Jon Davison Introduction　 8. The Game Disc 2 (64:23) 1. Steve Howe Introduction 2. Roundabout 3. Cans And Brahms 4. We Have Heaven 5. South Side Of The Sky 6. Five Per Cent For Nothing 7. Long Distance Runaround 8. The Fish 9. Mood For A Day 10. Heart Of The Sunrise 11. I've Seen All Good People 12. Owner Of A Lonely Heart Steve Howe - Guitars, Vocal Chris Squire - Bass, Vocal Alan White ? Drums Geoffrey Downes - Keyboards Jon Davison - Lead Vocal

商品名	Yes イエス/Aichi,Japan 2014
販売価格	1,880円
ランク	☆☆☆
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